GENOMELENS / 開発ノート
エージェントの役割は、どこにある?
GenomeLensの開発。AIの役割を意図的に絞った、ローカルデータのワークスペース。
- 私の役割
- 個人プロジェクト · 設計・開発
- 現在の状況
- 動作する試作版 · 開発中
- 時期
- 2026
課題
大きなゲノムファイルを、そのまま調べるのは簡単ではありません。会話型のインターフェースは便利に見えますが、設計上の問いが生まれます。モデルにデータそのものが必要なのか。それとも、データについて質問するための限られた手段が必要なのか。
GenomeLensは、その違いを考える個人の研究・学習プロジェクトです。医療向けの製品ではありません。モデルの責任を絞りながら、データを確認できるようにすることを目指しています。
制約から構成を決める
データはローカルのデータベースに置きます。取り込み、集計、絞り込み、座標検索は、結果の決まる通常のコードで処理します。エージェントは範囲を限定した読み取り専用ツールを選び、その結果を説明します。検索処理そのものを置き換えることはありません。
この分離は、モデルを使わない場面でも役立ちます。ローカルのウェブ画面から、データの概要や座標・領域の検索を直接利用できます。
重視した三つの選択
1. データ処理を先に作る
最初の段階では、単一サンプルのVCFファイルを検証し、ストリーム処理でDuckDBに取り込みます。正規化と取得の契約を明確にします。会話機能がなくても、信頼できる検索層には価値があります。
2. エージェントに渡す範囲を小さくする
モデルは、入力と出力を限定したツールを通して操作します。どの処理を要求したか、返された事実が説明を裏づけているかを確認しやすくなります。
3. 外部の根拠情報は別の判断にする
公開データベースへの照会と、手元のデータの確認は別の機能です。外部の根拠情報へのアクセスには、明示的な許可の境界を設けています。ローカルのウェブ画面では、リモートモデルと公開情報へのアクセスを無効にしています。
実装したもの
ローカルでの取り込み・検索処理、読み取り専用ツール、エージェント実行機能、合成データによる評価、結果を確認するウェブ画面を開発しています。評価では、ツール呼び出し、必要な事実、不適切な主張、プライバシーの境界を確認します。
現在の状態
ローカルで動作する試作版があります。ファイルの取り込み、概要表示、座標・領域検索、気になる変異を保存するローカルのトレイを利用できます。現段階では、ウェブ画面とエージェントの実行機能は別々です。このサイトに公開デモはありません。
これは実装上の到達点であり、臨床的な有用性やモデルの信頼性向上を実証するものではありません。
得られた視点
エージェントが使うツールを選ぶことは、プロダクト設計の一部です。問うべきなのは、モデルが答えられるかだけではありません。答えをたどれるか、アクセスを限定できるか、モデルがなくても役立つ仕組みか、ということです。
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- 01ローカルデータ
- 02決定的な検索処理
- 03範囲を限定したツール
入力を明確に。アクセスを限定。結果を確認可能に。